3児パパの記録

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【書評】有川浩「旅猫リポート」:猫と人間はこんなにも意思疎通するのか、心動かされる温かい話。

つい最近、映画になった旅猫リポート。世界各国で翻訳版も出版されて所謂「売れている本」です。amazonでの紹介を以下引用します。

野良猫のナナは、瀕死の自分を助けてくれたサトルと暮らし始めた。それから五年が経ち、ある事情からサトルはナナを手離すことに。『僕の猫をもらってくれませんか?』一人と一匹は銀色のワゴンで“最後の旅”に出る。懐かしい人々や美しい風景に出会ううちに明かされる、サトルの秘密とは。永遠の絆を描くロードノベル。

冒頭から猫がしゃべります。しゃべると言っても人間の言葉を発するわけではなくて、猫の気持ちが表現されてます。「我輩は猫である」をそのままモチーフにしたような形です。猫と主人公が一緒に生活することになった経緯、その後の事情で手放すこととなり、猫を引き取ってもらうため旅に出る。中盤からその事情が見えてきます。

泣けます。猫も主人公も、お互いを想う気持ちがに泣けてきます。恋愛や、親子の絆に近いけど、それらとはちょっと違う。友情でも信頼関係ともちょっと違う。やはり「お互いを想う気持ち」の崇高さが、この作品のポイントになっていると思います。 

有川浩さんの作品は「阪急電車」、「ストーリーセラー」、「三匹のおっさん」、「キャロリング」と読み続けてますが、私の中では「レインツリーの国」がとても好きでした。旅猫リポートもお気に入り作品です。