伊坂幸太郎著「死神の精度」を読みました。
毎回思うことですが、伊坂作品は明言が多数出てくるので、いつも「おお〜」と思ってしまうのです。伏線回収も見事ですし。サクサク読めてしまう。完全にファンになってしまいました。
「死神の精度」は主役と言える死神を中心に、人間の死をテーマとして人間を観察して行く、そんな感じの物語です。観察には物語がある。様々な人間の感情がある。おもしろいです。以下、私が想う明言をピックアップしておきます。
「人間の作ったもので最悪なのは、戦争と除外品だ」
バーゲンセールでがんばって選んだ品物が、実はバーゲン除外品だった、という話。これをフォローする人間がまた良かったりする。
「誤りと嘘に大した違いはない。五時に来ると言って来ないのはトリックだ。微妙な嘘とは、ほとんど誤りに近い」
何かの映画のセリフはとして登場します。誤りに限りなく近い嘘。センスある表現だと思いました。
「人が生きているうちの大半は、人生じゃなくて、ただの時間」
死神のセリフ。二千年前の思想家が言っていた言葉の引用として登場します。哲学っぽくてかっこいい。
ほんと、伊坂作品はサクサク読めるし、ストーリーは面白いし。応援したい作家さんです。