3児パパの記録

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人はなぜ付き合っていけるのか、素朴な疑問。

「感覚の鈍さ、伝えきれない思いがあるから、人は人と付き合っていける」とは福井晴敏さんの「亡国のイージス」に出てくる主人公のセリフです。これ、良いです。かっこいいというか、私の読書記録にビシッと書いた言葉です。

よく鈍感とか、敏感とかい言いますけど、感覚の鈍さって大事だと思うのです。傷の痛みとかではなく、感じないことの大切さってあると思うのです。良い例では無いですが、気づかないことの方が幸せとか、気にしすぎないとか。生きていく中でそのような場面は結構遭遇すると思うのです。そして鈍いからこそ、伝わりにくい。機械やAIコンピュータではない、アナログ的な伝わりにくさは人間らしい。それでも、そんな状況でも、むしろそんな状況だからこそ、人と人は付き合っていく。付き合っていける。不思議な感覚です、文才の無い私にはどうやっても書けない感覚。亡国のイージスでも、生き方が下手な人物が沢山登場して、そして皆人間らしい。物語自体は、一部の自衛隊が謀反を起こして日本政府の悪事を公表させようとする内容でして、人物描画がとても上手くて一気に読める内容でした。

人はなぜ付き合っていけるのか。良い問いと思います。